「リテラシー」&「ファクトチェック」

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現役学校教師の「literacy」&「fact check」ブログ

中立の裁定機関にも文句をつける「ネトウヨ」。

やわらかい意見は言うが、強い強制力もないし、なぁなぁの感じがあったBPOですが、放送から1年ほどが経過しており遅きに失した感はありますが、今回の判断は至極妥当だと思います。

 

最初に大手メディアではなく「ハフポスト」の記事へリンクしたのは、この記事がBPOの指摘と今回の件の問題点を「6つの問題」としてわかりやすくまとめていると判断したからです。

以前、ここでこの問題について、長谷川氏の言動への批判を中心に触れましたが、そこで提起した「この件は何が問題か」について、おおむねBPOからも同じ指摘が出されているように感じます。

にもかかわらず、制作会社は、何が問題と言われているのかわかっていない。

自分たちが行った放送内容が、一部の方々の中傷になっていたから問題になったのに、「中傷に屈しない」とは、事実誤認も甚だしい

 

この件について、マスメディアの報道姿勢にも、大いに疑問があります。

まず、私がさらっと見た感じでは、毎日新聞以外の大手メディアは、制作会社がDHCの関連会社だと報道していません

おそらくどのメディアにとっても大手の広告主なのでしょうから、親会社に不利となるような報道はできない、というかしない方がよいという「忖度」なのでしょう。

放送局である東京MXにも責任はあるとはいえ、実質的に制作会社が制作した「持ち込み番組」であり、最も責任を問われるべきなのは制作会社であるはずです。

このあたりも「自分たちに都合の良い切り取り報道」と言えるでしょう。

しかも、東京MXにとってはDHCが最大取引先であったわけですね。

そりゃ完成番組(BPOの指摘で言うところの「完パケ」)をチェックせずに垂れ流し状態にしていても不思議はないし、強い意見を言えるわけがない、と考えるのが普通でしょうね。

 

このようにどちらにもDHCの文字はありません。

そして、例によって記事の中に識者の意見を入れていますが、自メディアに都合の良い人ばかり。

産経は右派の論客…なんだ、お2人とも「ニュース女子」に出演経験のある方じゃないですか。

誰が見ても公平な記事とは言えませんね。

反対の意見の人の意見も出せとBPOが言っているのに、それをせず、自メディアにとって都合の良い論客のコメントを掲載し、自メディアに都合の良いように記事を構成し、自メディアが掲げる思想へと誘導している

「任意団体」…メンバーを見れば「極右」とも言えるような構成

「放送姿勢を評価」についても、記事内で触れているメディアはいくつかありますが、見出しに持ってきているのも産経のみ

相変わらず恣意的な記事構成です。

 

一方、姿勢はマイルドとはいえ、毎日新聞1人は中立的な立場の論客のコメントを掲載しているとはいえ、もう1人は明らかに自メディア寄りの論客。

産経ほどではないとはいえ、バランスを欠いた構成と言わざるを得ません。

 

そして、今回の件の最も大きな問題。

今回の件に関して、(一応)中立の立場で検証・裁定を行っている機関に対し、自分たちの意に沿わないからと言って、その機関自体に疑義を呈す「ネトウヨ」の存在

これを許し続けることは、世の中にあるすべての物事の存在意義さえも否定することにつながりかねないのでは?

思ったことをすぐに表現すること自体は悪いことではありませんが、発言する前に、その内容の背景や今後の展開をしっかりと考えるべきです。

 

今年に入って、DHC製品の購入をやめました。

あ、もっと前からロッテ製品も買ってません。