現代的「共産党」論…どこまでの「変化」が求められていたのか?
今回の選挙、まだまだ低いとはいえ、前回より投票率が上がってよかったです。
一般的に、投票率が下がると、強力な組織票がある政党が有利と言われます。
それで言うと、今回は前回と比較して、自民党や公明党、共産党が不利だったはずです。
急な選挙となり、「動員」が間に合わなかった可能性もあります。
しかし自民党は、ほぼ現状維持(総議席数が減少したことを踏まえると少し勝ち?)。
自民党の強さや戦略(解散・マスメディア・ネット)の上手さが際立ちました(野党の乱立・自滅もある)。
選挙で多く(特に無党派層)の支持を得る上で、イメージ戦略は大切です。
現代社会では特にそうですし、良悪含めてさまざまな情報が飛び交うインターネット上の情報に対する戦略は大切です。
以前も書きましたが、自民党はネットメディア局やネットサポーターズクラブなどをつくり、対策に力を入れています。
またメディアも、良悪あるものの自民党が利する&左派を貶めるような膨大な情報を垂れ流す産経。
一方、他の党やメディアはそこが弱いため、ネットを見ている限りでは「自民党(安倍首相一強」「世論=右派」のような印象を受けてしまうでしょうね。
実際、総選挙時のNHKのアンケートは、10代・20代のおよそ半分が、自民党に投票したことがわかっています。
ネット上の意見(主にヤフコメ)を見ると、出ている意見(=「ネトウヨ」・右派・極右的意見)が大部分の世論、世論の代表のすべてのように感じることも少なくありません。
(それがおかしいということでこのブログを立ち上げたわけですが…)
ここまで来た状況を簡単に変えるのは難しいですから、自分たちが変わるしかない。
すなわち、「自分たちから積極的に情報発信していく」。
そして、若年層のイメージを変えるようなネット戦略が必要になると思います。
(今回の立憲民主党の戦略が多少参考になるかな?)
その点で言うと、今回、共産党はイメージ戦略で失敗したのではないでしょうか。
個人的には、共産党らしからぬ!?柔和な志位委員長も好きなのですが…
個人的には、共産主義・社会主義という考え方は、「国際社会の中では既に時代遅れの存在・思想となってはいるが、議論を進めていく上で両翼というべき存在であり、欠かすことはできない」と思っています。
知り合いには「1回政権を担当させるとどうなるか面白い」と言ったことがありました。
いや、決してそれを望んでいるわけではなく、おそらく現実を知り、政権を担当することの難しさを知り、…政権を奪われた時、党が壊滅的なことになるのではないかという「面白いもの見たさ」みたいな…
知り合いからは「そんなふざけた国はありえない」「政治は遊びではない」とバカにされましたが(笑
よく某党のコワモテ党首が「何でも反対の共産党」などと共産党を非難していますが、選挙をやれば、その共産党より獲得議席数が少ないですよね。
支持団体の関係もあるにせよ、社会にとってどちらがより求められている存在か、わかります。
つまり、共産党や共産主義・社会主義というのは、言うなれば「必要悪」のようなもので、なくてはならない存在なんです。
先日の党首討論でも、憲法改正と非常事態への対応を問われた時、のんびりしたことを発言して現場でもネットからも総スカン状態でしたが、逆に言うとそれだけこれまで共産党の存在が常に「泡沫候補扱い」であったわけです。
ところが、以前から社会にあった「共産党アレルギー」のようなものが薄れてきており、時の権力に対する明確な対立軸として認知され始めた。
政策にも消費税廃止や原発政策など、社会でも現実的に議論されるレベルのものが増え、各種選挙でも徐々にではありますがよい結果が出始めた。
それはおそらく、社会や市民が、共産党に対して「確固たる信念」や「不動の存在感のようなもの」、「反権力(の受け皿)」のようなイメージを感じていたからではないでしょうか。
逆に言えば、社会や市民が、これまでの共産党に抱いていたイメージを裏切るようなことがあれば、得票や獲得議席が減る。
今回がまさにそれなのではないかと思います。
では、社会や市民が「裏切られた」と感じられた部分は何か?
考えられるのは…
1.野党連合に参加(どころか主導?)
2.憲法改正以外の掲げている政策は、今後柔軟に変更?
3.特別国会の首班指名を党の委員長ではない議員(枝野氏)に?
4.「3」との関連で、立憲民主党の登場で、存在感が薄くなった?
これを「ネトウヨ」の方々は「変節の共産党がさらに変節」「だから共産党には任せられない」と言っていましたが、その点が得票数や獲得議席にも表れているのかもしれません。